6:22
机の置き時計を見る。
まだ眠れるなあ、と思い、
ふたたび布団をかぶる。
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私は、友達の結婚式に参列していた。
サーモンピンク色の着物を着ていたのだけれど、紺色の帯がなんとなく不恰好に思えて、結び直したい気持ちに駆られ落ち着かないでいた。
ひとり、会場の廊下のようなところで
悪戦苦闘を続けていると、
後ろに母がいた。
母も艶やかな着物を着ており、
髪型も決まっていて、
とても若々しく、美しいと思った。
私は照れ臭さで、無愛想に
「お願い、直して。」とだけ言った。
母は、いつものように、
嬉しさを隠しきれないような、
けれども真面目な顔をして、
結び直してくれた。
ほっとした。
披露宴が始まるかなあ、と、
周りの様子を伺っていると、
不意に懐かしい姿が目の前に現れた。
お父さんだった。
お父さんも、和装をしていた。
表情がとても明るくて、
終始にこにこと笑っていた。
すごく格好がいい、と思った。
私は言葉を失い、
母と父の談笑している姿を眺めながら
心の中が晴れやかで
どきどきしていた。
こんな嬉しいことって、ある?
と、久しぶりの再会だということを
頭の中では分かっていて、
父の死の記憶の無い、私だった。
お母さんが楽しそうだったことが
印象的。
式場のカメラマンの方がやって来て、
三人での写真を撮ってくれた。
おそるおそる、
「お父さんだよね?」と声を掛けると
(なんとも不思議な話かけ方だった。
けれども現実的な一言だったと思う。)
笑顔だった。
二言ほど言葉を交わすと、目が覚めた。
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目が覚めてしまった。
そっかあ、朝だ。と思った。
夢のなかの世界を、
現実と思える朝がある。
心のなかは
まだその夢のなかにあって、
この身体と日常が
あまりにも自分のものに思えない朝。
父との再会は、
兎に角、元気の源となった。
自覚していない理想を想像しただけの夢だったのかもしれない。
母と父の談笑する姿。
でも
確かに今、わたしの心は
享受した感覚となっていて、
言い表すことができずに
ただ、有難さを感じている。
夢のなかの世界での、この心は
わたしのもの。
この記憶も、想い出となると思った。
この身体と日常も
自分のものだと大事にしながら、
また色々な光景へ目を凝らしていこう。空気の入れ換わったような気分。
いつもおもっています。
どうもありがとう
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